
お正月の行事として人気のある「餅つき」は、昔から日本に伝わるとても大切な文化のひとつです。
けれども、最近は街の中で餅つきをしている様子を見ることが少なくなりましたね。
今では家庭で臼や杵を使って餅をつく人も減ってきていて、それらの名前を聞いてもどんなものかわからないという子どもたちも増えています。
でも、臼と杵には、ただ餅を作るための道具というだけでなく、日本の暮らしや行事にとって大切な意味が込められているのです。
このページでは、臼と杵の読み方や形の特徴、歴史や種類、そして使い方についても、ていねいに説明していきます。
昔の人たちの知恵と心がこもった道具を知ることで、日本の文化をもっと深く感じることができるはずです。
臼と杵の意味と由来について🌾

臼(うす)と杵(きね)は、昔の人が食べものをつくるときに使っていた大事な道具です。
🔸臼(うす)ってどんなもの?
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丸くて、真ん中にくぼみのある容器
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そのくぼみに「もち米」などを入れて使います
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重くてどっしりしていて、木や石でできていることが多いです
「臼」という名前は、このくぼんだ形からきていると考えられています。
🔸杵(きね)ってなに?
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杵は、もち米をつくための長い棒の道具
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材料が入った臼に対して、上から力いっぱい振り下ろして使います
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木でできていて、両手で持って使うのが一般的です
「杵」という漢字は、「木」と「音符の午(ご)」を合わせた字。
木でできていて、動きや音をあらわす字とされています。
🕰️臼と杵の歴史
🎎 行事でも使われる道具
臼と杵は、昔から日本の大切な行事にも使われてきました。
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🕊️ お葬式では、空っぽの臼を「コーン、コーン」と突くことがあります
→ 故人を見送る意味がこめられています -
💒 結婚式では、お祝いとして「お餅つき」をすることもあります
→ 新しい家庭のしるし、ふたりの門出を祝う意味です
このように、臼と杵はただの調理道具ではなく、心をつなぐ特別な道具でもあるのです。
臼と杵にはどんな種類があるの?素材ごとの特徴をチェック🪵🪨🧴

臼と杵にはいくつかの種類があります。
それぞれにちがった特徴があるので、どれを使うかは使う人の好みや目的によって変わります。
木製タイプ(伝統的であたたかみがある)
木でできた臼と杵は、昔から使われている一番ふつうのタイプです。
手になじみやすく、使えば使うほどあじが出てきます。
もち米のあたたかさが逃げにくく、やわらかくておいしいお餅がつくれるのも特徴です。
でも、使う前に水にひたす時間が必要だったり、つかったあとはきちんと手入れをしないとカビが出ることもあります。
石製タイプ(コンパクトで扱いやすい)
石でできた臼は、木製のものよりも小さめで、持ち運びもしやすいです。
価格もお手ごろなものが多く、家庭でも気軽に使えます。
ただし、石は冷えやすいため、餅がすぐ冷めてしまうことがあります。
また、杵が傷みやすいので、力を入れすぎないように注意が必要です。
プラスチック製タイプ(軽くて手軽)
最近は、プラスチックでできた臼と杵もあります。
軽くてお手入れがとっても簡単で、餅がくっつきにくいのもいいところです。
水にひたす必要もなく、すぐに使えるのは便利ですね。
でも、落とすと割れることもありますし、長く使っているとヒビが入ることもあるので注意が必要です。
家でお餅つきをしてみよう!準備と手順をやさしく解説🍚🥢

お餅つきは、家族や友だちといっしょに楽しめるイベントです。
木製の臼と杵を使うと、本格的なお餅つきができますよ。
ここでは、準備と手順をくわしく紹介します。
お餅つきに必要な道具と材料
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木製の臼と杵(または他の素材でもOK)
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もち米(臼のサイズに合わせて量を調整)
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蒸し器(なければ大きなお鍋で代用可能)
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餅とり粉(くっつきを防ぐために)
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水またはお湯(手や杵をぬらすため)
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味つけ材料(きな粉、あんこ、しょうゆなど)
前日までの準備
もち米は、前の日の夜にたっぷりの水でひたしておきます。
これにより、お米が水をしっかり吸って、やわらかくふくらみます。
木の臼と杵は、割れないように前もって水にひたしておきましょう。
冷たい場所で保管しながら、じっくり準備しておくことが大切です。
お餅つき当日!失敗しないためのポイントとコツ💪🍡

いよいよお餅つきの本番です。
楽しく、安全に、そしておいしいお餅を作るために、次のことをしっかり確認しておきましょう。
お餅つきの流れ
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臼と杵をお湯であたためておく
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蒸し布をぬらして絞り、蒸し器にしきます
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餅米はドーナツ型にして置き、蒸気が通りやすくします
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強火で45分〜1時間ほどしっかり蒸す
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杵と手をぬらしながら、餅米を最初にしっかりつぶします
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まとまり始めたら、リズムよく杵でついていきます
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餅ができあがったら、お好みの味つけで楽しみましょう!
つき方のコツ
餅をつくときは、「つく人」と「返す人」が息を合わせて動くことが大切です。
掛け声をかけながら、リズムよく進めると安全です。
返す人は、手をしっかりぬらして、熱くないように注意しましょう。
お餅つきのあとは?臼と杵のかたづけ方と保管方法🧽

お餅つきが終わったら、道具のお手入れもとっても大事です。
きれいにしておけば、次の年もまた気持ちよく使えますよ。
お手入れ方法
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臼と杵についたお餅は、たわしでていねいにこすって落とす
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水できれいに洗って、しっかり水気をふきとる
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直射日光は避けて、風とおしのよい場所で自然に乾かす
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スノコの上に寝かせて置くと、木がゆっくり乾いて割れにくくなります
まとめ:臼と杵で日本の文化を体験しよう🎍
臼(うす)と杵(きね)は、昔から日本で大切にされてきた道具です。
もち米をつぶしてお餅にするだけでなく、家族や地域の人と心を通わせる特別な時間を作ってくれます。
木製、石製、プラスチック製など、それぞれの特徴を知って、自分に合ったものを選びましょう。
そして、お餅つきの準備から後片付けまでをきちんと行うことで、安全で楽しい思い出ができます。
これからも、臼と杵を使った餅つきを大切にして、日本の伝統を未来に伝えていきましょう✨